Wine List
"Sommelier" #05


ソムリエ 巻別 ワインリスト


vintage.48 彼女の仕事

ファッション誌「eye」の入社2年目編集者、小山昌美は雑用に明け暮れる日々の仕事に不満を感じていた。
ラメールに「eye」の特集記事の協力を求め城を尋ねるが、城は聖子を代役に立てる。
他のレストランからの年期の入った男性ソムリエに混ざってワインをテイスティングする聖子。
最後のワインが劣化ワインだと指摘する。
他のソムリエは気付かなかったが、事実そのワインは去年の夏から「eye」編集部のロッカーに置きっぱなしになっていた物だったのだ。
その姿を憧れのまなざしで見つめる小山は、後日ラメールに聖子を訪ねここで働かせてくれと申し出た。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
コート・ロティ・ラ・ランドンヌ - E・ギガル コート・デュ・ローヌ 「eye」編集部に配属されたばかりの小山が買ってきて、上司の北村に無視されたワイン 楽天
グランジ - ペンフォールズ   同上 楽天
バルバレスコ・アジリ・ディ・バルバレスコ - ブルーノ・ジャコーザ ピエモンテ 同上 楽天
vintage.49 にわかソムリエール

小山の話を城に相談する聖子。
城は「やらせてみりゃいいじゃん」という。
しかし、小山に宛がわれた仕事は、グラス拭きや掃除と言った雑用ばかりだった。
不満を感じているところに、城からフロアに立ってみると言われ、意気揚々と付いたテーブルには、「eye」の先輩、北村冴子が座っていた。
自分の実力を見せようと、懸命にワインを勧めるが、最後に冴子から あなたにこの仕事勤まらないって事がわかった と言われてしまう。
小山は、客のことは考えず、自分の好みを押しつけているだけだったのだ。
同様に編集者にとっても読者が一番大切という事を聞かされ、自分の過失を悔やみ、小山は編集部復帰を決意した。
店を出る冴子は城に感謝の言葉を残した。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
ピュリニー・モンラッシェ - 不明 ブルゴーニュ 小山が北村に勧めたワイン 楽天
ムルソー - 不明 ブルゴーニュ 同上 楽天
シャトー・ラ・フルール・ペトリュス - - ボルドー 同上 楽天
vintage.50 ゴッホのワイン

城は偶然知り合ったナタリーの観光案内をさせられる。
彼女はゴッホも憧れたという日本の風景を探してあちこち巡るが現代の日本にその面影はない。
城は、ナタリーをとっておきの風景を見せると、ラメールに誘う。
そこでゴッホが愛したワインを飲みながら、城が開けはなったカーテンの向こうには、北斎の赤富士があった。
翌日、フランス自動車連盟の会長の娘として、テレビでインタビューを受けるナタリーの姿があった。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
コトー・デクス・アン・プロヴァンス
(ヴァン・ド・ペイ・デ・ブーシュ・デュ・ローヌ)
1988 ドメーヌ・ド・トレバロン プロヴァンス 佐竹城がゴッホの絵を通じて日本に憧れるナタリーとラメールで飲んだワイン 楽天
vintage.51 スタンダード

日本支店を出すべく、あちこちのレストランを食べ歩く世界的料理人ロシュ。
だが、料理の内容ばかりか、権威、肩書きに弱い日本人の行うサーヴィスの内容に満足がいかない。
変装をしたロシュはラメールを訪れた。
城が行うサーヴィスに納得し、さらに彼がロシュだと見抜いた事、さらに見抜く以前からそのサーヴィスが行われていたことに驚く。
そして、城にたいして自分の店でソムリエをやる気はないかと打診してきたのだった。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
ロゼ・デ・リセー - 不明 シャンパーニュ 佐竹城が有名料理家ジョエル・ロシュに出したワイン 楽天
vintage.52 日本のフレンチ

ロシュの誘いを一端は断った城だったが、ロシュの「君がこの店のソムリエになって、一体何を変えられたと言うんだい?」という問いかけに葛藤する。
シェフの斉藤に相談する城。
彼の答えは、変わらなくてはならないは自分たちで、客の要望に答えなくてはならないという。
再びラメールを訪れたロシュに城は再度断りを入れる。
プライドを傷つけられたロシュは、今度会うときは良きライバルとして会おうと言い残し去るのだった。
そして、ロシュは乗り気ではなかった日本支店を前向きに検討することに決めた。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 1988 - ボルドー 佐竹城が女性連れの客に勧めたが、女性は飲む振りだけをしていたワイン 楽天
vintage.53 夏のワイン

夏休みに入り、ラメールでは料理もワインも残す客が目立ってきた。
城もシェフも支配人もその理由が判らないでいた。
ワインの試飲会に参加した城は、赤ワインの人気に改めて驚かされる。
そして偶然飲んだ白ワインの美味しさにひらめきを感じ、そのワインを50ケース買い付ける。
店で白ワインを勧め始めたとたん、料理もワインも残す客がいなくなった。
その理由は、日本の暑い夏に、赤ワインの重さが食欲を減退させていたからだったのだ。
各店舗のワインの売り上げをチェックする城、大阪で赤ワインが異常に売れている事に気付く。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シャトー・ジスクール 1990 - ボルドー ラメールで客が飲み残したワイン 楽天
ドクター・M・プリュム 1993 J・J・プリュム モーゼル 佐竹城が試飲会で大量注文を掛けたワイン 楽天
vintage.54 西からの客

アトランティック・ホテル大阪のレストランでは、ワイン一本あたりの単価、売上量が他を圧倒していた。
その不自然さを感じていたところ、大阪から出張のグループを担当することになる。
城の勧めるワインの美味しさとともに、そのワインのコストパフォーマンスの高さに驚く面々だった。
その客が帰る際に、感想を求めた城。
その口からは、誉める言葉と共に、ゴージャスな雰囲気が味わいたかったという不満が出る。
そして、大阪アトランティックの志村の名前が…
気になる城は早速大阪に視察に出かける。
そこで見た光景は、ソムリエの志村が20代のOLにシャトー・オーブリオンを勧める姿だった。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シャルドネ - パッツ&ホール カリフォルニア 佐竹城が大阪から来た客に出したワイン 楽天
シャトー・レゾルム・ド・ペズ 1990 - ボルドー 同上 楽天
シャトー・オー・ブリオン 1990 - ボルドー 佐竹城が大阪アトランティックを視察に行った際、志村が若いOLに勧めたワイン 楽天
vintage.55 歓迎

あらすじ20代のOLに5万円のワインは負担が過ぎるのではと問いかける城に志村の答えはそれだけの価値のあるワインだからそうは思わないというものだった。
翌日、歓迎会の席に着いた城。
そこで志村が試みたのは2本の白ワインの飲み比べだった。
1本はフランスはトゥーレーヌ、もう一本は城がラメール着任以来、積極的に取り入れてきたニューワールド、オーストラリア産ワインだった。
ほぼ全員がトゥーレーヌを支持、志村は高級フレンチにはフランスワインがふさわしいと結んだ。
歓迎会後、城はさきほどの飲み比べは不公平だと志村に詰め寄る。
トゥーレーヌと言って出されたワインが最上級のプイイ・フュメ、シレックスだと。
そしてそれは、志村のこの店での権威を守るために行われた行為だと。
城が立ち去った後、志村が取り出したワインボトルは、シレックスだった。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
トゥーレーヌ - 不明 ロワール 大阪アトランティックでの佐竹城歓迎会で志村が城を貶めるために使ったワイン 楽天
ソーヴィニヨン・ブラン - ヴィラ・マリア    同上 楽天
プイイ・フュメ・シレックス - ディディエ・ダギュノー ロワール 志村が佐竹城を貶めるために使ったワインの正体 楽天
vintage.56 志村の思想(サーヴィス)

志村の独裁的なやり方を大阪のスタッフも快く思ってはいなかった。
しかし、城は、ラメールで客から志村の名前が出た事に矛盾を感じていた。
志村の担当する客が、先日90年を飲んだから別のヴィンテージでとシャトー・マルゴーをオーダーした。
そしてその答えとして志村は、それより悪いヴィンテージの91年を提示したのだった。
その客が変える際、城はワインの選択を詫びるが、逆に客から「勘違いしている」と指摘を受ける。
91年は90年に比べれば味も劣るが、つくり手が辛い思いをしてワインをつくったことが伝わってくる。
何十年、何百年続いてきたワイン造りの中で、91年を知った上で良いワインを飲めば、美味い不味い、出来が良い悪い異常のものを感じる事が出来る。それが感動だと。
良いワインばかりを飲めば満足は出来るが、脈々と続く伝統を感じることは出来ない。
そしてそれは志村が客に教えた事だった。
翌日、城は、先日のオーブリオンの件を詫びるのだった。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シャトー・マルゴー 1991 - ボルドー 志村がマルゴーを注文した客に対して出したヴィンテージ 楽天
vintage.57 トラウマ

支配人の策略で、ミーティングから外された志村。
志村の抗議に、支配人とシェフは志村抜きでレストランを切り回すと宣言する。
コミソムリエの近田は、統括である城に志村のことを相談する。
かつて近田のデキャンタージュのミスにより、志村は四面楚歌の憂き目にあい、それ以来今の独裁的なやり方になってしまったことを知る。
そして、志村のいない今日、再びデキャンタージュの必要なワインがオーダーされた。
城は、仮病を使い、近田にデキャンタージュをさせる。
城は近田が毎晩、デキャンタージュの練習を怠っていなかったことを見抜いていたのだ。
志村とその話をする城は、志村の深い配慮を感じるのだった。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シャトー・シュヴァル・ブラン 1982 - ボルドー 近田がデキャンタージュしたワイン 楽天
ラ・ミッション・オー・ブリオン - - ボルドー 佐竹城がウォルトナーの説明で出てきたワイン 楽天
シャルドネ タイタス・ヴィンヤード 1991 シャトー・ウォルトナー カリフォルニア 佐竹城が志村に飲ませたワイン 楽天
vintage.58 それぞれの味(前編)

志村なしで店を無事終えたスタッフが喜ぶ中、志村は2週間の休暇を取る。
志村の独裁がなくなった所、今度は支配人による独裁が始まった。
城は志村の話を聞くが、その中で志村が辞意を表明する。
それを、支配人に伝えると、自らの独裁を強化するチャンスと、独自の企画・チリワインフェアの実施を決める。
城は志村にその企画書に目を通してもらうように近田に命じた。
企画書見た志村は買い付けたワインが痛んでいる可能性が高いことを指摘する。
志村は支配人にその危険性を訴えるが、支配人は聞く耳を持たなかった。
そして城に助けを求めようとするが、城は東京に戻った後だった。
vintage.59 それぞれの味(後編)

買い付けたワインを一本分けてもらって、支配人たちと開ける志村。
そのワインは予想通り、痛んだワインだった。
それでもチリワインフェアを強行しようとする支配人の下に、1本の電話が入る。
それは納入予定のチリワインのほとんどが劣化しているため、納入を取りやめたいという内容だった。
明日から始まるフェアを前に、志村一人が夜を徹してワインの新規手配を試みる。
全てがダメと判ったところへ、50ケースのフランスワインが届く。
それは城が密かに手配した物だった。
そして、スタッフも協力し、チリワインフェアが出来なくなったことを客に詫びると共に、城の手配したワインを出すことでなんとかその場を凌いだ。
志村はスタッフの働きに、お礼と今までのやり方を詫びた。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
ラ・キュヴェ・ミティーク 1994 - ラングドック チリワインの代わりに佐竹城が用意したワイン 楽天