Wine List
"Sommelier" #06


ソムリエ 巻別 ワインリスト


vintage.60 「シャトー・マルゴー」争奪戦

近所の商店街で行われるシャトー・マルゴーが優勝賞品のブラインドテイスティングに、城、水谷、田淵が参加した。
1問目、2問目と城の巧みな誘導で、田淵も正解を出す。
城と田淵のみが残った最終問題の3問目、テイスティングした城は答えを出すことが不可能と判断、白紙を出す。
田淵も苦しみながら、フランスワインとしか書けなかった。
正解者なしとする開催者に、城が正解を尋ねると、それは産地も葡萄品種も表示の出来ないテーブルワインだった。
やり直しを詰め寄る観客だったが、産地も品種もヴィンテージも記入されていない田淵の「フランスワイン」が正解と
いう城の一声で田淵が優勝者となる。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シャトー・ラトゥール 1982 - ボルドー 田淵のワインコレクション 楽天
ロマネ・コンティ 1990 D.R.C ブルゴーニュ 田淵のワインコレクション 楽天
シャトー・マルゴー 1990 - ボルドー リカーショップ主催ブラインドテイスティングの優勝賞品 楽天
トカイ・ピノ・グリ・レゼルヴ 1994 トリンバック アルザス ブラインドテイスティング1問目 楽天
パイパース・ブルック・ヴィンヤード・ペリオン 1996 -   ブラインドテイスティング2問目 楽天
vintage.61 シャトー・ディケム

会社会長の甥である醍醐はその権威を傘に着、会社ではやりたい放題の毎日だった。
ある日会長が辞任し、社長派の巻き返しで販売部に異動を命じられる。
人に頭を下げることを知らない醍醐は、客とトラブルを起こし、課長の村井とも喧嘩をしてしまう。
醍醐は自分なりの営業をしようと、客を招いてパーティーを開こうとする。
そこに出すワイン、シャトー・ディケムの1921年を探すことを城に依頼する。
それは彼の叔父が社長に就任した際、会社創設と同じヴィンテージのワインを自分の権威の象徴として、来賓に記念品として送ったという伝説にあやかったものだった。
意外にも村井課長がそのワインをもっていた。。
そしてそのワインは彼の叔父が社長就任の際に、新入社員にプレゼントした物だった。
その話はいつの間にか自分の権威の象徴として来賓に配ったと語られるようになってしまったが、事実は、新入社員の船出を記念し、このワインのように長い時間を経ても色褪せないためには、並々ならぬ努力が必要という意味を込めた社長の計らいだったのだ。
「元々はきみの叔父様から頂いた物だ、君にとって本当に必要な物なら使ってくれ」とディケムを村井課長は差し出した。
後に、女性社員を通じてそのワインは村井課長の下に戻された。
醍醐からの、自分がそのワインにふさわしい人間になった時、二人で飲みましょうという伝言を添えて。
そして、客先で頭を下げる醍醐の姿があった。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シャトー・ディケム 1991 - ボルドー ラメールで醍醐が頼んだ食前酒 楽天
シャトー・ディケム 1921 - ボルドー 醍醐が村井課長から譲られたワイン 楽天
vintage.62 斉藤の気持ち

25歳バツイチで一児の母である由利は再就職の面接の帰りに倒れ、ラメールの斉藤シェフに助けられる。
遅刻のせいで朝食を抜いたための貧血が原因だった。
斉藤に愚痴を話しまくるが、無言でオムレツを手際よく作った斉藤は、そのまま仕事に出かけてしまう。
自宅に帰り、自らもオムレツを作ってみるが、何に対してもいい加減な由利は上手く作ることが出来ない。
憧れ斉藤の勤務先を知った由利は、週に4回もラメールに通い詰める。
それを知った斉藤は、彼女の食事の後に「サロン」をプレゼントする。
通常シャンパンが色々な年に作られた物を混ぜ合わせて造られるのに対し、その「サロン」は葡萄の出来の良い年にしか造られない完璧主義のワインなのだ。
そしてそのワインのように自分もありたいと思っていることを斉藤は告げる。
由利は自分が育児、家事、仕事の全てに中途半端だった事を恥じる。
それは斉藤が由利のためを思ってした優しさだったのだ。
帰宅後、下手ながらも懸命にオムレツを作る百合。
再就職も決まり意気揚々と出かける百合を見送る家族も彼女の変化を喜んでいた。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
サロン 1988 - シャンパーニュ 斉藤がラメールの客、由利に自分の気持ちを伝えるためにサービスで出したワイン 楽天
vintage.63 泥棒に捧げる一杯!?

アトランティックホテルで、ルームサービスに化けた泥棒が、ヤクザの取引の金を盗むという事件が起きた。
そんな中、ラメールに一人の老人が客として現れ、城にワインを選ぶように頼む。
その客姿を観察した城は、何かをひらめき、ワインを提示した。
それは「カッシェロ・デル・ディアブロ」というワインだった。
その意味を問われた城は、ど忘れしたと答える。
客が帰った後、城はその男性が今日の泥棒の犯人だと指摘する。
捕まえるべきだったという水谷に、ラメールのダイニングでは全ての客が平等だと言う城。
そして、あの人はもう二度と泥棒はしないと確信をもつ城だった。
その男は帰宅後、「カッシェロ・デル・ディアブロ」の意味が「悪魔のセラー」であり、酒泥棒を防ぐ目的でつけられたことを知る。
そして、ソムリエなどに気付かれるようでは年貢の納め時だな… とつぶやいた。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
カベルネ・ソーヴィニヨン 1992 カッシェロ・デル・ディアブロ チリ   佐竹城がラメールに客として現れた泥棒に出したワイン 楽天
vintage.64 平凡なワイン

瀬野は妻子をもつ35歳の平凡なサラリーマンだった。
ある日彼に、今村という若い女性社員からメールでラブレターが届く。
せめてあの日あなたと飲んだワインを飲めればと…
昨年の新入社員歓迎会で瀬野は今村にワインを勧めたことを思い出した。
彼女と同期の男性社員、仙道から彼女は社内の人に想いを寄せるが、相手が気が付かないらしいと聞かされる。
歓迎会で飲んだワインを必死で探し、約束の時間に待ち合わせ場所に駆けつける瀬野。
そこで仙道と偶然会い、待ち合わせの場所への行き方を教えてもらう。
待ち合わせ場所には、今村がいたが、会話がかみ合わない。
そして仙道と会ったことを話すと、彼女は「仙道さん来てるんですか!?うれしい…」という。
その瞬間、瀬野は全てを理解した。
彼女はSENDOとSENO、メールアドレスを間違えたのだと。
そして彼女を連れ近づいてくる仙道の姿を見つけた瀬野は今村を連れその場を離れ、事の全てを打ち明けたのだった。
手元に残ったワインをラメールに持ち込んだ瀬野の話を聞く城。
瀬野が平凡だと評するワインを、平凡なワインなど無いと言う。
そして瀬野の行動も、誰にでも出来る物ではない誠実さがあると。
瀬野はその言葉を聞き、同じワインを今度は妻とラメールに持ち込もうと思った。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
カネパ 1995 - チリ   瀬野が今村のために探したワイン 楽天
vintage.65 親子

ラメールの常連、大島の来店に予約の名前が高橋となっていた。
それを見た城は、そのテーブルの担当を水谷と代わった。
親子3人連れ、子供はメニューにないスパゲティが食べたいという。
城は斉藤に特別にスパゲティを作ってもらう。
城のコルクスクリューを珍しがるその子に、城は継母との過去を話し、どんなに離れても親は親だと、自分の子供のことを何時も思っていると信じていると話す。
その話に激高した大島は帰ってしまう。
支配人は城を叱責を受ける。
心配して声を掛けてきた聖子に真相を話す城。
高橋夫妻は離婚するのだろうと。
そして、子供が頼んだスパゲティも本当は食べたいのではなく、その場を和ませる目的だったのだろうと。
一人落ち込む城に斉藤シェフが声を掛ける。
「あの子は今日のお前のサーヴィスを一生忘れない。それで良いじゃないか」と…
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シュタインベルガー カビネット 1995 - ラインガウ ラメールで離婚前の家族が選んだワイン 楽天
vintage.66 継母のワイン

かつて城が勤めていた、レストラン・モンソーのオーナーシェフから手紙を受け取る城。
そこには、城が探していたワインの手がかりが見つかったとあった。
休暇を取り、渡仏する城は、モンソーを尋ね、手がかりはミレーヌが探してくれたのだと知る。
そしてミレーヌの口から、継母レジーヌが他界したことを知らされた。
銘柄 vint. 生産者 生産国 地域 登場場面 価格
シャトー・パルメ 1986 - ボルドー レストラン・モンソーで佐竹城がブラインドテイスティングしたワイン 楽天
vintage.67 ロレーヌ

継母の故郷ロレーヌを訪れた城とミレーヌ。
レジーヌの父親ロランを訪ねるが、会うことを拒否されてしまう。
いつまでも玄関に立ちつくす城を見かねて、ロランは家にはいることを許す。
母からもらったコルクスクリューと同じもをロランも使っていることを知るが、母の事は一切話してはくれなかった。
共に母の墓参りに出かけた後、お礼を述べ帰ろうとする城をロランは引き留める。
城が探しているワインは、昔ロレーヌで造られていたワインではないかと…
そしてロランのワインセラーに案内された。
vintage.68 親子の証

あらすじロランの祖父の時代からのワインが眠るセラー。
ロランは好きなだけそのワインを開けても良いと城に言う。
その辺りでは、自分の子供が一人前になったとき、コルクスクリューを送る習慣があるという。
ロランもレジーヌにコルクスクリューをプレゼントし、城もレジーヌから同じ物を受け継いだ。
我々は他人じゃない。何も遠慮することはない。とロランは言う。
そして、思い出のワインを見つけた、と城はロランに報告する。
一緒に食卓を囲む3人。
ロランは死ぬまで城のことを我が子と呼んだレジーヌの気持ちが、城とあって分かったと言う。
ロランが去った後、城はミレーヌにまだワインは見つかっていないと打ち明ける。
それを見つけるためにしばらくここに残ると。
ロランの部屋に行った城に、レジーヌを死なせたのは自分だと語る。
vintage.69 過去

レジーヌは一時帰国するたびに、ロランの畑を手入れし、自分でワインを造ってた。
ロランは、佐竹龍三と別れて記憶した後も、思い出に浸る彼女を立ち直らせるために、レジーヌに内緒で手紙を焼き、畑を売却してしまったのだった。
それからのレジーヌは食事もとらなくなり、目に見えて衰弱し、とうとう死んでしまった。
その話を聞いた城は、畑を取り戻そうと言う。
そして、その場所に行ってみるとそこに葡萄畑はすでに無かった。
vintage.70 追跡

現在の持ち主から、その前の持ち主へとその畑の変遷を訪ねる3人。
当時の日記から葡萄の木を売却した事実が判るが、その足取りは辿れなかった。
その日記を読み返す城はある矛盾に気が付く、当初はフランスの農家が葡萄の木を買い取ったと考えていたが、フィロキセラにやられているかも知れない葡萄の木、さらには買い取った人物はあの葡萄の木でなければならない理由があったと。
葡萄の木はまだありますよ。今も必ず。 ロランにそう告げる城の目は遠くを見つめていた。
vintage.71 結晶

東西物産を瀬島に任せ引退の準備をする龍三。
その日は龍三の誕生日だったが、最後の誕生日かも知れないと弱気な龍三だった。
そこに一本の電話が入り、城が訪れる。
誕生日を祝して3人で食事をしませんか と城。
その席で、渡仏し継母のワイン探をしてきたこと、そのワインは継母自身が造ったワインだったことを話す。
「しかし畑は害虫にやられ、葡萄の木は無くなり、もう二度と継母のワインを飲むことは出来ないと諦めかけていました」
諦め… かけていた? と問う瀬島。
「あったんです あったんですよその樹は」
城がカーテンを引き開けるとそこには一本の葡萄の木があった。
「父さん、俺が長年あなたに抱いていた誤解を… 許してもらえますか」
城の言葉に龍三は一本のワインを注ぐ。
お前が探し求めていた、レジーヌのワインだ。
レジーヌから私が引き継いだ生命の結晶だ。
さあ、飲んでみるが良い。
ワインを飲む城。
そこには楽しげに笑う3人の家族の思い出があった。
そして一ヶ月後佐竹龍三は死去した。
Last vintage LA MER

佐竹城が去ってから一年が経ったラメール。
ロシュの店が隣にオープンする日、ラメールをロシュが訪れる。
城が辞めたことを知ったロシュはラメールはライバルにはならないと断言する。
それを聞いた木崎は、「彼のサーヴィス理念は受け継がれている、充分にやっていけるほどに。その上今日から優秀なソムリエが加わる」と言う。
彼より優れたソムリエがそうそういるとは思えないというロシュの言葉に、「あなたの知るジョー・サタケを確実に超えている」と言い切る木崎。
ロシュに対抗できるか、新しいソムリエと上手くやっていけるか、不安が渦巻くラメール。
そこに、遅刻して現れたのは、寝癖頭の佐竹城だった。